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グリーンヒル「コミュニティーバス」導入についての考察
■仕組み・定義
「コミュニティバス」は法的に明確に定義されている概念ではありません。
法的には、普通の路線バス(乗合バス)と同様、道路運送法などの規定に従うものです。
高齢者や身体障害者等が公共施設・医療機関に行きやすくするなど、地域住民の交通の利便性向上を目的として、地方公共団体が何らかの形で運行に関与している乗合バスを一般にコミュニティバスと呼んでいます。
■運行形態
コミュニティバスは、既存のバス事業者(又はその子会社)が運行するもの、貸切バス事業者が運行するもの、地方自治体が運行するものなどがあります。
自治体が運行する場合にあっても、地方自治体が国土交通省から運行許可を取得し、実際の運行は地元の貸切バス事業者に委託することもあるります。
これは、コストや車両管理、運転士の雇用の関係でその理由です。
近年では、沿線住民が路線の設定等、運行計画に当初から関与していくケースが増えています。
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四日市市の「生活バスよっかいち」
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京都市醍醐地区の「醍醐コミュニティバス」
・・・などの事例がよく知られています。
事例としては少ないものの、NPO法人などに事業の運営を委託するケースもある。
これらは、道路運送法21条または同法80条に基づき運行されています。(後記参照)
また、廃止代替バスの形態で運行されることもあります。
乗車定員の関係でバスではなく、乗合タクシーとして運行されることもあります。
(事例:宮城県石巻市稲井地区の「いない号」)。
《道路運送法第80条第1項による運行》
貸切バス事業者あるいはタクシー事業者との契約による運行(この場合、貸切バス事業者は道路運送法第21条第2項の許可を受ける必要があります。)
<道路運送法第80条第1項>
自家用自動車は、有償で運送の用に供してはならない。
ただし、災害のため緊急を要するとき、又は公共の福祉を確保するためやむを得ない場合であつて国土交通大臣の許可を受けたときは、この限りでない。
<道路運送法第21条>
一般貸切旅客自動車運送事業者は、次の場合を除き、乗合旅客の運送をしてはならない。
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災害の場合その他緊急を要するとき。
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一般乗合旅客自動車運送事業者によることが困難な場合において、国土交通大臣の許可を受けたとき。
(付 記)
グリーンヒルにおいても、乗り合いバスまたは運行規模の関係上乗り合いタクシーとの比較検討を行うべきか?
<参考> 乗合(のりあい)タクシーの定義・・・・
11人未満の人数を運ぶ営業用自動車を利用した乗合自動車。
道路運送法の「特定旅客自動車運送事業」に該当する場合があり、営業する場合は国土交通省の許可が必要である。
主に深夜の別の交通機関がない地域や、過疎地など路線バスの機能が充分に発揮できない場所などで、運行されている。
タクシー事業者が行っており、タクシー車両を用いるためこの名前がついているが、所定のダイヤと停車地に従って運行し、利用者はタクシーというより路線バスに近い感覚で利用することになる。
ただし、あくまでタクシーなので、立席などで座席定員以上の乗客を乗せることはできない。
使用されている車種は、乗車定員9人のジャンボタクシーを使う場合が多い。
しかし、利用者数が極端に少ない場合は、乗車定員5〜6人の通常のセダン型のタクシーを使うこともある。
■乗り合いタクシー導入についての比較検討
コミュニティーバスの代わりに、地理や位置を確認する最新技術を活用した『乗り合いタクシー』に改善すれば、低料金で玄関先から目的地の玄関まで行きやすくなります。
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バスが入って行きにくい細街路住宅地等の地域への代替交通手段として検討する。
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コミュニティーバスの利用希望状況を判断して、乗り合いタクシーへの切り替えも検討する。
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地域のスクールバス、幼稚園、保育園等の送迎にも活用すれば利用率の向上が図れる。
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導入エリアの切り替えも検討する。
<乗り合いタクシーの運用イメージ>
車両は、マイクロバスもしくはミニバンクラスの10人程度の乗車可能なもの。
運用台数は、アンケートを実施し、対象者がどのように分布しているか、需要者MAPを作成し、シュミレーションを行ったうえで、ランニングコストを踏まえて決定する。 (概ね3〜4台まで)
デマンド型交通システムによる「乗り合いタクシー」の利用者は、事前に利用登録をしておく。
足の不自由な高齢者でも、利用希望の30分前までに予約しておけば、自宅や目的地まで送迎してくれる配車システムを構築する。
情報センターでは、予約電話の受け付けをし、地理情報システムの入ったパソコンを使い、「乗り合いタクシー」の運転手に携帯端末で利用者の送迎の時間や自宅・待機場所などを知らせます。
運転手は、車両に搭載されたナビゲーション・システムと携帯電話でのオペレーターの指示などで、予約時間までに利用者の送迎を行う。
ドア・ツー・ドアまでの送迎を基本として、
<料金形態>
・会員制を採用して、月々定期を購入してもらう形をとる。
・都度料金制の場合、幼児・園児は無料
就学児童は、1回100円〜200円?
大人は、 1回300円程度
高齢者(60歳以上)は、1回 200円程度
※特に女性・高齢者を中心に大幅な需要が見込まれるのでは?栃木県の事例では、このシステムは、代替バスなどと比べ運営コストが安い、ドア・ツー・ドアのサービスで快適な外出が可能になると「乗り合いタクシー」の普及、活用を提案しています。
鹿沼市の「リーバス」など乗り合いバスの不便なところを解消できます。「乗り合いタクシー」による交通手段に改善すれば、低料金で玄関先から目的地の玄関まで行けることにより生活の利便性が大きく向上します。
■運営の実際
通常の乗合バスですら高速バスを除き経常的な赤字の状況が多く、ましてやコミュニティバスは乗合バス事業者が運行しない又は撤退した地域を運行し、しかも運賃はボランティアの為低額であることから、収支均衡させることは極めて困難であり、純然たる営利事業として捉えることは適当ではありません。
経常的収支で赤字計上は覚悟せざるを得ないものの、交通空白地帯の解消、公共交通の確保という公益的な観点から、市町村から運行費用の補助(赤字補填)が行われているのが一般的です。
市町村自身が、路線、便数、停留所位置などコミュニティバスの基本的な要素を計画したうえ、運行の委託を地元貸切バス会社(この付近の場合は、近江鉄道、帝産観光)に委託する場合も多くあります。
なお、通常の路線バス(4条バスと呼ばれる)においても、国土交通省や都道府県、地元市町村による赤字補填の仕組みがある場合もあります。(路線形態、延長、実行実績によって、役割分担が決まっている)。
町田市民バス(まちっこ)など一部のコミュニティバスについては、運行主体がバス会社で、自治体が補助金を出し、コミュニティバスとして運行しているケースがあります。
公営バスは地方公営企業として公営企業会計が適用され、一般会計と分離され、独立採算による運営であるという点でコミュニティバスと大きく異なりますが、赤字基調であり、一般会計から繰出(運行補助)を行い、運行を支えている場合が多くあります。
■コミュニティバスのあゆみ
コミュニティバスのさきがけは、1980年の東京都武蔵村山市の市内循環バスであるとされる。
市が車両を購入し、立川バスに運行を委託した。
これに続いて、1986年に東京都日野市で「ミニバス」が始まった。これは日野市が行政サービスの一環として、市内のバス路線のない地域に小型バスによる路線バスを運行するというものであった。
市が直接バス路線を開設することは現実的でないため、日野市内で路線バスを運行していた京王バスが路線開設と実際の運行管理を引き受けた。
この「ミニバス」は見た目としての運行形態はそれまでの路線バスと一線を画する全く新しいものであった。
そのため、全国各地で似たような形態での路線バスサービスを開始する自治体が続出し、それらは「コミュニティバス」と呼ばれるようになったのである。
ただし全国的に有名にはならず、続出し始めるのは1995年の武蔵野市におけるムーバスの成功に触発されたところが大きい。
また、金沢市における金沢ふらっとバスは斬新な車体で、商店街アーケードの中を走行する(トランジットモール)など、従来のバスにない発想のもとに運行されており、注目を浴びた。
■コミュニティーバスのルート・路線
既存のバス停留所・鉄道駅などから遠く(300m程度以上)、また公共交通機関に頼らざるを得ない交通弱者の数が少なからずあるにも関わらず、狭隘路・坂道があったり、需要が小さいなどの理由により、通常のバス路線を導入する事が困難な住宅エリアを本来は対象とする。
基本ルート(距離10km程度 市民センター、商業施設A、商業施設B、シャンテモール)を定期巡行し、要望がある場合は自宅玄関前までの送迎をする。時間調整は携帯電話にて行う。
目的地:住宅地と、市民センター等、商業施設、銀行、郵便局、滋賀医大
停留所間隔が一般的に短く、細かく停留所が設置されている。 (概ね200m程度)
■コミュニティーバス車両
中型以下の車両を用い、それまで大型車両の入れなかった住宅街等へも路線を延ばすことが可能。 ※11人以下の運送でよい場合は、乗り合いタクシー形態の運営も検討する。
小型バス(リエッセやポンチョ、クセニッツ社のバスなど。時にはハイエースなども)。
低床でバリアフリーに対応した人にやさしい車両。
外国の車両を導入する場合もある(金沢市等)。
斬新で親しみやすい車体デザイン
○主に使用されるバス
・現行車種
日野ポンチョ
三菱ふそうエアロミディME
日野リエッセ/トヨタ・コースターR/
いすゞジャーニーJ
トヨタ・コースター/日野リエッセII
日産シビリアン/いすゞジャーニー
三菱ふそうローザ
トヨタ・ハイエース
日産キャラバン/いすゞコモ
クセニッツ
・絶版車種 オムニノーバ・マルチライダー(日産ディーゼルが輸入)
■運賃などの事例
都度運賃徴収を行う場合は、100円又は200円の低廉かつ均一料金を採用し、利用者にわかり易いシステムにする。
(地域によっては無料の所もあるが、個別送迎バスに近く有償を前提として考えるべきである。)
会員制を導入しているバスもある。
■運行システム・その他
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パターンダイヤ
中規模以上の都市では高頻度運行(30分毎など)、パターンダイヤとなっていることが多い。
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愛称
住民に親しみをもってもらうため、愛称を公募する等の取組みがみられる。
■今後の課題
コミュニティバスは、低廉な均一運賃であり、収益を上げていくのが基本的に難しい仕組みであり、交通事業としては事前に十分に検討する必要がある。陥りやすい問題としては、次の事項が挙げられる。
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安易な導入・・・他の自治体で導入しているからという安易な理由で導入される傾向がある。
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サービスの妥当性の検証・・・住民・地域団体の求めにより路線・停留所を決めて運行開始すことが多いため、運行地域、運行回数、運行時間帯など、一般に需要量に比べて過剰サービスに陥りやすい。
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弾力的な見直しが困難・・・一般に、一度始めると路線見直しや撤退が困難(特に自治体が関係することから、議会対策上も)。
※なお、平成の市町村合併に関連して旧市町村の庁舎や市街地を連結する交通手段確保の観点からコミュニティバスの運行が計画された地域もある。